薪ストーブというと、みんな炎の話をします。機種はどうとか、デザインがどうとか。でも、10年20年と気持ちよく焚き続けられるかどうかは、たぶん煙突で決まるんです。今日は煙突掃除人として、本当のことを話します。
煙突の中で、何が起きているか
薪を燃やすと、煙と一緒に燃え残りの成分が煙突を通ります。乾燥の足りない薪を焚いたり、空気を絞ってとろとろ燃やし続けたりすると、この成分が冷えた煙突の内側にタールとしてこびりつきます。
タールは、平たく言えば固形燃料です。これに何かの拍子で火がつくと、煙突の中で火事が起きます。煙道火災といって、煙突が真っ赤になって、最悪は建物に燃え移る。「煙突掃除をサボった先」にあるのは、これです。
火事になるかどうかは、正直、運です。
でも、タールが溜まるかどうかは、運じゃない。
掃除は、年に一度でいい
では、どのくらいの頻度で掃除すればいいのか。ワンシーズン薪を焚いたら一度、が基本です。使い方や薪の質で汚れ方は変わりますが、「今年はいいか」を二年続けるのはおすすめしません。掃除と一緒に本体の点検もすれば、ガスケットの傷みや部品の緩みも早めに見つかります。
基本は、屋根に登らない英国式。
うちの煙突掃除は、英国RODTECH社の器具と手順を使った、室内側からの掃除です。煙突掃除の本場・英国の安全基準で認定を受けた安全インストラクターとしては、私が東北で第一号でした。
回転するブラシを下から通していくやり方で、雪の積もった屋根に登る必要がありません。岩手の冬でも安全に、しかも隅々まで掃除できます。養生をきちんとするので、部屋が煤だらけになる心配もいりません。
この方法のおかげで、安全でありながら、以前よりお安く煙突掃除をご提案できるようにもなりました。
ただし、タールが多い現場もあります。その場合は、お客様が「登らなくていい」とおっしゃっても、私たちは必ず屋根に登ります。そして、トップに溜まったタールを、ゴシゴシと落とさせていただく。その分、時間は長くかかりますが、どうかご了承ください。汚れを、見て見ぬふりはしません。
あなたの冬が、人生でいちばん好きな季節になるように。そのために、まず安全です。私たちが力を入れているのは、結局そこなんです。
他社で買ったストーブ、大歓迎です
「よそで買ったから頼みにくくて」という電話をよくもらいます。まったく気にしないでください。どこで買ったストーブでも、煙突は同じように汚れて、同じように掃除が必要です。むしろ、何年も掃除していない一台こそ、早く診せてほしい。
薪ストーブは、買ったあとの年月のほうがずっと長いんです。その長い年月に責任を持つ。煙突掃除人って、そういう仕事だと思っています。


