何百年もサウナと暮らしてきたフィンランドには、サウナにまつわることわざや言い伝えが、たくさん残っています。短い言葉の中に、何世代分もの知恵が詰まっていて、どれも、聞けば聞くほど味が出る。今日は、そんなサウナの言葉たちを、私たちなりの読み解きと一緒にお届けします。座右の銘にしたくなる一言が、きっと見つかります。
「サウナでは、教会にいるように振る舞え」
いちばん有名な言い伝えのひとつ、フィンランド語で「サウナッサ・オッラーン・クイン・キルコッサ」。サウナは、騒ぐ場所ではなく、静かに、敬意をもって過ごす場所だ、という教えです。フィンランドの人たちにとってサウナが、体を洗う場所である以上に、心を鎮める神聖な場所だったことが、この一言でわかります。大声を出さない、暴れない、人のロウリュに文句を言わない。現代のサウナマナーの原点も、ここにあります。(静けさの話は、こちら。)
「怒りとサウナは、一緒に入れない」
怒ったままサウナに入っても、怒りは熱に溶けて、出るころには消えている。そういう意味にも、怒りを持ち込むなという戒めにも読める、ふところの深い言葉です。実際、かっかした頭で熱い部屋に座っていると、怒りというものが、だんだん馬鹿らしくなってきます。汗と一緒に、感情の毒気も抜けていく。喧嘩をした夫婦は、別々にサウナに入ってから話し合うといい、というのは、私たちの勝手な処方箋です。(夫婦とサウナの話は、こちら。)
「薬も酒も効かなければ、サウナへ」
フィンランドには「酒とタールとサウナで治らない病は、死に至る病」という、古い言い回しがあります。タールは、かつて傷薬にも使われた民間療法の薬。つまりこれは、当時の三大治療法を並べた言葉なのです。「サウナは貧者の薬局」という言い方も残っています。体調の一歩手前の不調、気分の落ち込み、眠れない夜。病院に行くほどではない「なんとなく調子が悪い」に、温まって、汗をかいて、ぐっすり眠るサウナが、よく効くことを、彼らは経験で知っていたのでしょう。(サウナと健康の話は、こちらに。)
「サウナ上がりの人は、いちばん美しい」
化粧も着飾りもない、湯上がりの素の顔がいちばん美しい、という意味の言い伝えです。血色のいい頬、ゆるんだ表情、まっさらな肌。ととのったあとの人の顔は、確かに、みんな、いい顔をしています。サウナは、外側を飾るのではなく、内側から人を輝かせる。美容の本質を突いた一言だと思います。(サウナと美肌の話は、こちら。)
ことわざが、これほど多い理由
なぜサウナには、これほど言葉が生まれたのでしょう。理由は、サウナがかつて、暮らしの中でいちばん清らかな場所だったからです。昔のフィンランドでは、お産はサウナで行われ、亡くなった人の体も、サウナで清められました。人が生まれ、そして送られる場所。だからこそ、静けさと敬意が求められ、そこで交わされた言葉は、格言として残った。2020年には、こうしたフィンランドのサウナ文化が、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録されました。ことわざは、その文化の、いちばん持ち運びやすい形なのです。
あなたの家の、ことわざを
ことわざは、暮らしの中で使われてこそ生きます。自宅サウナのある家なら、これらの言葉が、日々の実感になります。そしていつか、あなたの家にも、わが家だけのサウナの格言が生まれるはずです。岩手・盛岡のD'STYLEは、ハルビア岩手県正規代理店として、ことわざの生まれる暮らしをお手伝いしています。おすすめの一台のご相談、いつでもどうぞ。サウナでは、教会にいるように。そして店では、どうぞ気楽に。



