この「読み物」が、100本になりました。煙突掃除の話、薪の乾かし方の話、ヴィヒタの話、停電の夜の話、サウナ上がりの一杯の話。ひとつ、またひとつと書いてきて、気がつけば、三桁です。いつも読んでくださっているみなさま、検索でたまたまたどり着いて、そのまま何本も読んでくださったあなた。本当に、ありがとうございます。今日は100本目の節目に、少しだけ、私たちのことを書かせてください。
私たちは、岩手の小さな店です
D'STYLEは、岩手・盛岡で、薪ストーブとサウナを商っている店です。ハースストーンやバーモントキャスティングスの薪ストーブを設置し、煙突を掃除し、薪を割り、ハルビア岩手県正規代理店として、サウナヒーターを据え付ける。派手なことは何もない、火と蒸気の、いわば町の専門店です。
そんな店が、なぜ100本も文章を書いてきたのか。理由は、はっきりしています。困っている人と、これから好きになる人に、届いてほしいからです。
「誰に聞けばいいか、わからなかった」
この仕事をしていると、同じ言葉に何度も出会います。「煙突掃除って、誰に頼めばいいかわからなくて」「引っ越した家に薪ストーブがあるけど、使い方を教わっていなくて」「サウナが欲しいけど、何から調べればいいのか」。困っているのに、聞く相手が見つからない。火と蒸気の世界は、その入口が、少しだけわかりにくいのです。
だから私たちは、書くことにしました。お店に来られない人にも、夜中に不安になって検索した人にも、届くように。読んだ人が、自分で判断できるだけの本当のことを、ごまかさずに。この読み物は、私たちなりの、店の外まで届く接客のつもりです。
売りたいのは、道具ではなく
正直に言えば、私たちは商売をしています。薪ストーブが売れて、サウナが売れて、店は続いていきます。でも、100本書いてきて、あらためて思うのです。私たちが本当に売っているのは、鉄の箱や木の小屋ではありません。
薪のはぜる音のそばで、家族がなんとなく集まってくる夜。サウナで汗を流して、雪の庭で空を見上げる時間。停電の晩に、「うちは大丈夫」と言える安心。犬と猫が特等席を取り合う、あの光景。売りたいのは、そういう時間です。道具は、そのための入口にすぎません。だからこの読み物も、道具の話をしながら、いつも本当は、暮らしの話をしてきました。
岩手だから、書けること
岩手は、寒い土地です。冬は長く、朝は氷点下が当たり前。でも、この読み物を書きながら、何度も思いました。火と蒸気にとって、これほど恵まれた土地はない、と。寒いからこそ、薪ストーブの暖かさが骨身にしみる。空気が澄んでいるからこそ、外気浴が世界一おいしい。森が近いからこそ、薪がある。岩手の冬は、耐えるものではなく、楽しむもの。それをお伝えすることが、この土地の店である私たちの役目だと思っています。
これからも、書き続けます
101本目からも、変わらずに続けていきます。約束はこれまでどおりです。本当のことを書く。読んだ人が判断できるように書く。誰かを悪く言うためには、一文字も使わない。そして、火と蒸気のある暮らしの気持ちよさを、全力でお伝えする。
読みたいテーマ、聞いてみたいこと、記事の感想。よければ、お店で、電話で、メールで、聞かせてください。次の100本の種にさせていただきます。そして、もし読み物のどれかが、あなたの背中をそっと押していたなら。岩手・盛岡のD'STYLEに、いつでも会いに来てください。おすすめの一台と、熱いお茶を用意して、お待ちしています。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。それでは、101本目で、またお会いしましょう。



