この仕事をしていて「もったいないなあ」とうなだれる瞬間があります。薪ストーブを設置し終えたお客様から、「ところで、補助金って使えたんですか?」と聞かれるときです。
お住まいの市町村に制度があったのに、あることを知らないまま買ってしまった。しかも多くの補助金は「工事を発注する前」の申請が条件なので、設置が終わってからでは、もうどうにもならないんです。
岩手をはじめ東北には、薪ストーブやペレットストーブに補助金を出している市町村が実はたくさんあります。今日はその仕組みと、知らないと損をする落とし穴の話をさせてください。
なぜ自治体が薪ストーブにお金を出すのか
そもそも、なぜ市町村が薪ストーブに補助金を出すのか。理由は単純で、薪ストーブが地元の森のためになるからです。ストーブが一台増えれば、地元の山の木が薪として使われます。山にお金が入って、手入れが続く。森が、ちゃんと回っていくんです。
もうひとつはカーボンニュートラルです。木は育つあいだにCO2を吸収しているので、薪を燃やして出るCO2は差し引きゼロに近い、という考え方。国も自治体も脱炭素を進めたいので、薪やペレットで暖を取る家を応援してくれます。
うちは祖父が住田町の山主で、父が継ぎ、私で三代目の薪屋です。だからこの仕組みが、本当にありがたい。補助金って、要するに「地元の森を使ってくれてありがとう」なんだと、勝手にそう思っています。
落とし穴その1:買ってからでは申請できない
いちばん多い失敗がこれです。多くの制度は工事の発注・契約より前に申請することが条件になっています。ストーブを決めて、契約して、それから「補助金も申請しようかな」では遅い。順番が逆なんです。
気持ちは分かるんです。良いストーブに出会うと、早く決めたくなる。でもそこで一呼吸おいて、先に申請の確認をする。それだけで結果が大きく変わります。
補助金は、買った人へのご褒美じゃないんです。
買う前に動いた人が、受け取れる。
落とし穴その2と3:予算枠と、機種の条件
ふたつめの落とし穴は予算枠です。多くの補助金には年度ごとの予算があり、申請が枠に達すると年度の途中でも受付終了になります。人気の制度ほど早く埋まります。冬に間に合わせたいなら、夏から秋のうちに動くのが確実です。
みっつめは機種の条件です。市町村によって対象になるストーブの条件が違い、二次燃焼機能付きを条件にしているところが多くあります。ほかにも「その市町村に住んでいること」など、地域ごとに細かな決まりがある。同じストーブでも、隣の市では対象、こちらの町では対象外、ということが普通に起きるんです。
調べるのは面倒です。だから、うちが確認します
ここまで読んで「面倒だな」と思った方。その通りです笑。市町村ごとに制度も条件も申請のタイミングも違うので、ご自分で全部調べるのはかなり骨が折れます。
だからうちで、お客様の地域と検討中の機種に合わせて、使える制度があるかどうかを確認してご案内しています。岩手・青森・秋田の全域と宮城・山形の一部が対応エリアですから、「うちの町はどうですか」と聞いていただければ大丈夫です。
ちなみに、サウナに使える場合もあります。ご自宅のサウナならリフォームの枠、宿泊施設や店舗のサウナなら事業者向けの枠と、使える制度が分かれることがあるので、これも計画の内容に合わせて確認します。
「買う」と決める前に、聞かせてください
補助金は、とにかくタイミングなんです。設置した後ではなく、計画の段階。「薪ストーブ、いいかもなあ」と思い始めた、まさにその段階で聞いていただくのが確実です。
盛岡の国道4号線沿いのショールームには、火の入った薪ストーブがあります。ご来店の予約は要りません。炎にあたりながら、「うちの市町村で補助金は使えますか」と、気軽に聞いてください。損をしてからでは遅い。その前に、一緒に確認しましょう。
※補助金の制度・条件・受付状況は年度ごとに変わります。本記事は2025年度に確認した情報をもとにしています。最新の状況は当社が確認してご案内します。



